ヒロ君(仮名)は、英語に悩んでいる中学2年の男の子です。
何から手をつけたら良いのか分からないくらい英語学習に行き詰まっています。
もともとヒロ君は勉強が得意ではありませんでした。しかし親に強く勧められて小学6年生の夏休みあたりから中学受験の専門塾に通い懸命に努力した結果、難関校とされるある中高一貫の進学校(男子校)に補欠で合格し、運よく入学することができました。 運が良かった、と喜んだのも束の間、中高一貫進学校の半端ない英語の学習スピードについて行けず、彼は中学1年生の夏休みに入る前には学校の英語授業から落ちこぼれてしまったのです。
もちろんヒロ君は1学期末の担任との面談で、英語の授業のスピードが余りにも速すぎること、単語も覚える量が多すぎるのではないかと質問しました。すると担任は「この程度の勉強量で音を上げるとは、なぜこの学校に入学してきたのか」と逆にヒロ君を責め、「せっかく入った学校なのだから、君も弱音を吐かず、もっと頑張れ」と取りあってくれませんでした。
中高一貫校用の教科書、中学卒業レベルの単語集、「発展編」と書いてある問題集、毎回のように配られる山のようにある暗記プリント・・このような教材に囲まれてヒロ君はどんなに努力しても学校のスピードについていけません。とうとう英語に苦手意識を持ち、英語の勉強を避けるようになってしまいました。
ヒロ君が英語に向き合ったきっかけ
ヒロ君はA君から”音”から英単語を覚える方法を教わりました。これは以下のようなやり方です。
- 暗記したい単語の発音を聞き、自分も同じ発音を真似をして口から出して言う
- 発音と日本語の意味をセットで口から出して何度も言い、両方とも「音」で覚える
発音とつづり字の法則
を使って音で覚えた英単語をアルファベット文字を使って書き出す
ヒロ君もA君のまねをしてこの方法で教科書にある英単語を勉強してみました。すると、見事にスラスラと英単語のつづり字が頭に入るではないですか!「英語の発音が、英単語暗記に重要な役割を果たしている」、ヒロ君にとってこれは大きな発見でした。一般に英語学習において英単語スペルのミスが無くなると必然的にテストの点が上がってきます。すると子供たちは英語の勉強をそこまで嫌がらなくなります。こうしてヒロ君も、再び英語学習への意欲を取り戻し、まだ英語が得意とは言えませんが進学校の大変な英語授業に何とかついて行くことができています。
なぜ特に中高一貫校の中学1年生の多くが英語に落ちこぼれるのか